●そもそもヘルニアとは何か?

●ヘルニアとは「飛び出した」という意味

ヘルニア」と言うと多くの人がまず思い浮かべるのは「 椎間板ヘルニア」でしょうか。そもそも、この「ヘルニア」という言葉は 「本来在るべき場所から飛び出してしまった状態」を指す言葉。つまり、「物」や「病名」といったものではなく 「状態」を指し示す言葉です。

●腸が飛び出したから「脱腸=そけいヘルニア」

これでおわかりでしょうか??

  • 脱腸=腸が飛び出した状態
  • そけいヘルニア=そけい部にヘルニアが起こった状態

という事であり、この二つは実は「同じ症状」を指し示しています。昔は「脱腸」 という呼び方が一般的で、最近になって「そけいヘルニア」という呼び方が増えてきたようです。

●そけい部って何処?

●そけい部とは太股の付け根の部分

脱腸そけいヘルニア」が発症する「そけい部」とは何処なのか。 それは「太股の付け根」の部分になります。この部分の腹壁は人体の構造上どうしても筋膜が弱くできており、 ヘルニアが他の部位に比べて起こりやすくなってしまっているのです。

●脱腸,そけいヘルニアは二足歩行を始めた時からの宿命

そけい部は歩くだけでも複雑な運動を行います。つまり、脱腸そけいヘルニア とは人間が二足歩行を始めた時から既に潜在的に抱え込んでしまった症状と言う事ができるのです。 腰は「椎間板ヘルニア」 「ぎっくり腰」 「坐骨神経痛」のリスクを抱え込み、 このそけい部においては「脱腸そけいヘルニア」のリスクを抱え込んでしまったと いえます。

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●男性に多い脱腸,そけいヘルニア

●9割近くが男性による発症

脱腸そけいヘルニアについては「大腿ヘルニア」 以外は殆どが男性による発症です。これは男性の方が「そけい部」の構造が弱くできており、 筋膜が余り強くないからだと考えられているようです。

●成人よりも小児期に起きる

また、脱腸そけいヘルニアは多くが小児期に「先天的」に発症します。 これは母体にいる段階で既に脱腸そけいヘルニアを抱えているケースが 多いからです。成人になってからの発症は「交通事故などの強い衝撃によって」「加齢による筋膜の弱体化」 等が原因となって発症するケースが多いようです。

●発症の確率

脱腸そけいヘルニアの発生率は1.5%です。大体にして成人男性の5%程度が 脱腸そけいヘルニアとなります。普通は右か左のどちらか一方に発生しますが、 発症者のうち3%の確率で両側で発症します。

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●そけいヘルニアの類型

@内そけいヘルニア

成人に多いヘルニアのタイプです。そけい部後方の腹壁を腸が突き破り、ヘルニアが起こります。

A外そけヘルニア

幼児に多いヘルニアのタイプです。こちらは腹壁外側に出てきます。

Bパンタロンヘルニア

内そけいと外そけいの合併型の脱腸そけいヘルニアです。

Cかんとんヘルニア

腹腔内に整復不可のタイプです。血行障害によって腫れ上がっています。

Dこうやく性ヘルニア

絞扼(こうやく)とは「締め付ける」という意味。腸閉塞などの可能性も高く,放置しておくと腸が壊死を起こすので、 緊急処置が必要になる。

E大腿ヘルニア

医学的にそけいヘルニアとは全く別のヘルニアになります。この大腿ヘルニアは全ヘルニア発生率の5%を占め, 更には発症者の84%が脱腸そけいヘルニアとは正反対の「女性」です。主な症状は 「腸閉塞」等です。場合によっては絞扼の場合もあるので、緊急手術になるケースも。

脱腸そけいヘルニアの類型は新東京病院のコラムを参考にしています。

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